Jewelry sommeliere

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津延美衣(つのべみえ)NY州立大学FIT卒業。米国宝石学会鑑定有資格者(GIA-GG,AJP) 運命学・自然医学・アート・アロマテラピー・食文化などの知識を元に感動的な人生を描くプランナー・エッセイスト・キュレーター兼ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere) 美時間代表。

2017年3月29日水曜日

週刊NY生活No.623 3/18 /17' 白羊宮(おひつじ座)とレッドコーラル(珊瑚)

             白羊宮(おひつじ座)とレッドコーラル(珊瑚)

  近年に入り沖縄のサンゴ礁が、海水の温度上昇による瀕死の危機に何度か見舞われ、それを救うべき人口養殖が始まった。サンゴは鉱物ではなく、クラゲやイソギンチャクの仲間「サンゴ虫」と呼ばれる生物なのだ。サンゴ礁を形成するのは触手が6本またはその倍数に分かれる「六放サンゴ」と呼ばれ、太陽が届く浅瀬の海で生息し成長も早い。一方、宝飾に使われるサンゴの多くは、「八放サンゴ」と呼ばれ8つの触手を持つ。大抵は太陽の光が届かない水深100m以上に生息し、1年に1センチくらい成長しながら人間の歯程度の硬さになる。それを研磨すると美しい光沢が得られ、2-3万年前の太古の時代から(ドイツでの発見が最初の説)装飾品として愛されてきた。中世ヨーロッパでは、悪霊を払い守護する幸福の石とされ、ネイティブアメリカンたちにも生命のエネルギーを強めるとして好まれた。日本では、仏教伝来とともに地中海サンゴがもたらされ国内にでまわった。1812年、漁師の釣り針に偶然サンゴがかかり、領主に献上したという記録がある。それ以降、高知県を中心に日本近海で漁獲量が増え、日本はサンゴ輸出国になった。おもに赤やピンクだが色幅は広く、なかでも高知県の土佐沖で取れる血赤サンゴ(血液の色合い)は世界的に大変希少な高級品だ。

  母なる海の贈り物である宝石サンゴは、地球に生きるすべての人々に調和する。赤いサンゴは、戦いを勝利に導くという火星のエネルギーを吸収して発散させる特異なパワーを秘め、身に付けると自信がつき魅力をアップさせる。またエネルギーバランスを調整しながら、物事をうまくリードして発展させる。とくに火星を守護星とする白羊宮に相乗効果をもたらすという。サンゴはデリケートで傷つきやすく、熱や酸、汗など水分に弱いので注意が必要だ。

2017年3月4日土曜日

週刊NY生活No.619 2/18/17' 双魚宮(うお座)とジェダイト(ヒスイ輝石)

              双魚宮(うお座)とジェダイト(ヒスイ輝石) 

   昨年の9月、日本の「国石」が東洋のエメラルドと呼ばれる、地球上の極めて限られた地域で発見されるヒスイに定められた。新潟県の糸魚川市が、世界最古のヒスイ文化圏と判明したからだ。遡ること約4500年前の縄文時代、権力・成功・繁栄を象徴する装飾品、神事物として人びとに愛され生活と密接な関係がありながら、奈良時代に入ると代表的な勾玉を含めそれらが突然姿を消した。その理由はわかっていない。その後、19世紀に入りミヤンマー産のヒスイが中国大陸を経由して日本に持ち込まれ、今でも主流になっている。日本はミヤンマー、中央アメリカに次ぐ世界三大ヒスイ産地にも入る。ヒスイ(jade)は硬玉のジェダイトと軟玉のネフライトの両方の総称として使用される。日本で翡翠=ヒスイと呼ぶのは、色彩に富む、ダイヤモンドを凌ぐ靭性をもつジェダイトを指す。なかでも無処理の極めて透明度の高いグリーンの石は中国語で青々とした竹を意味する「琅玕(ろうかん)」(英語でインペリアルジェイド)と呼ばれ、希少性と価値が高い。

  ヒスイはすべての人に調和する普遍的な宝石で、特に海王星を守護星にもつ水の宮の双魚宮に同調するようだ。そもそも宝石(鉱物)は宇宙で誕生したガイアである地球の一部で、その内に秘める元素は惑星と共鳴する。また、わたしたちがこの世に産声をあげた瞬間から、黄道(太陽の通り道)の12宮(星座)と、それらに影響を与える10の惑星(守護星)から降り注ぐエネルギーにより生命力のパワーを得るという。約5千年前から(発祥はバビロニア説がある)古代占星術により、宝石(星座石)を身に付けることにより、星座の位置が悪いときは気運を補い、良いときはさらに増幅するといわれる。ちなみに、緑色のヒスイは胸腺を強化し魂を浄化してパワーで満たすという。

2017年2月2日木曜日

週刊NY生活No.613.1/1/17'「1月の誕生石ガーネット」

                  1月の誕生石ガーネット「柘榴石」

  カーバンクルとは丸く磨き上げられた赤い石のことをさす。それは、神によってソロモン王に与えられた貴重な4つの石の1つでガーネットだった。この石の持つ赤い輝きは、伝説上ノアの方舟に暗闇を照らす灯火の代わりに吊り下げられた。また血液関係の病気に使われ、持ち主に幸福と愛情をもたらすとされ、古代エジプトではファラオの首を飾った。古代ローマにて、この石と彫刻が施されたシグネットリングを使ってワックスにスタンプをして重要な書類を封印してきた。赤いガーネットは最も広く取引された宝石のうちのひとつである。ガーネットは鉱物名で、結晶が柘榴の種の形に似ており、ラテン語の種を意味する(グラナタス'granatus ‘)に由来する。共通の結晶構造をもちながら、少しずつ異なる成分をもつ多数の変種をかかえる巨大ファミリーだ。赤色に限らず、青色を除いたさまざまな色合いがあるとされていたが、近年に入ると光源の違いにより青色を発生する希少な変種も見つかった。また唯一、ダイヤモンドと近接する環境下で育まれるパイロープ・ガーネットは、ダイヤモンドの内包物として見つかることもある。

  作家・開高健の最後の作品になった『珠玉』。3種の宝石をめぐって著者本人の'人生の宝'を重ね合わせていく三題噺になっている。第2話で、縁ある人から深紅の「アルマンダイン・ガーネット」のカットの施された裸石をしばらく借りることになった。それをポケットに入れて持ち歩くとその明滅が気になり時間・場所を問わず、こっそり取りだしては深紅の燦光が手のなかで煌めくのを楽しむ。どうじに赤色に封じ込められていたいくつもの己の過去が鮮明に蘇ってくる珠玉の時間を手に入れるのだ。まさに'文房清玩'。こんな宝石の使い方もあったのだ。

2016年12月30日金曜日

週刊NY生活No.610.12/3/16'「12月の誕生石トルコ石」

               12月の誕生石ターコイズ「トルコ石」

  人生の門出や旅人には最高の贈り物とされるトルコ石は、紀元前5千年頃にメソポタミア(現イラク)で発見された最古の宝石だ。自然崇拝のもと、古代エジプト、インカ帝国、ペルシャ、チベットやアメリカ・インディアなどで、肉体と魂を危険や災いから守る天の神の宿った聖なる石とされた。トルコ石('Turquoise 'フランス語)の名称になったのは13世紀以降、トルコ経由でフランスのバイヤーに渡ってからだ。それまでは美しい石を意味する'カレース'と呼ばれていた。その色合いは、銅の成分により空色を生じ、鉄分が混じると黄色が加わって緑色を帯びる。高く評価されるのはペルシャ産の天然(無処理)スカイブルーのもの。トルコ石は体に付けていると変色や欠けにより身に迫る危険を知らせるというのは、本来多孔質でもろく変色(汗や体の油、香水による)や退色(直射日光による)を招きやすいからだ。それらを防ぐために樹脂含浸や表面をコーティングする必要がある。


  作家・乾石智子の小説『双頭の蜥蜴』。タイトルの蜥蜴は、母に疎まれ親友まで失った主人公の少女の中に住み付いていた。それは命あるものすべてに共通する、憎しみやマイナス志向が心の中に生み出す化け物のこと。これらが異次元の世界を中心にやがて巨大勢力となり、全世界を支配するという。それを防ぐ役目を担う者が持つ'トルコ石のペンダント'に彼女は出会い自ずと身に付ける。そして異次元の世界に渡りこの石に守られながらその根源を断つ。「ターコイズ・エクスペリエンス」という意欲が湧いたのだ。さらにこの石は、第五チャクラにあたる喉の中枢開発に成果があり、相手の心の奥深く届く'パワーある言葉使い'を授かるのでビジネスにも最適だ。ちなみにトルコ石は人から貰うと効力があり、それに心が込められているとなお良い。

2016年11月7日月曜日

週刊NY生活No.606.11/5/16'「11月の誕生石トパーズ」

                   11月の誕生石トパーズ「黄玉」
  トパーズの和名は「黄玉」だが、赤、青(鮮明な色は殆どが放射線照射処理による)、黄色、オレンジなど様々な色合いがある。太陽神の象徴とされ、古代エジプト・ローマ時代から護符として愛用された。その語源は「トパゾス」' topazos '(ギリシャ語で探求の意)という紅海に浮かぶ島の名前で、別名はSt.ジョンズ島(ペリドットの産地)。常に霧に包まれ辿り着くのが困難な島で、難破した海賊がこの原石を偶然発見して欧州に持ち込んだという。
  19世紀の後半、紫水晶を加熱して出来上がった黄色のシトリン(水晶)がゴールデン・トパーズとして市場に出回り、本物と区別するためブラジルの宝石業界が当時の皇帝ペトロ2世のインペリアルを冠してインペリアル・トパーズと呼んだ。なかでも極上のシェリー酒のような赤みの強いオレンジは希少価値が高い。
  この石を身につける者は「探求」力により、人生において本当に必要なものが得られるという。英国の作家ニール・ゲーマンの『スターダスト』の主人公の青年は、思いを寄せる女の気紛れから流れ星を持って帰る羽目になり妖精の世界に足を踏入れ、少女(星の化身)を捕まえて帰途につく。少女(星)は、この国の王が亡くなる寸前に天高く投げた(次の王が身に付ける)トパーズのネックレスにぶつかり落下した。同時にこれを真の持主に届ける役目も担っていた。つれなかった青年と少女は、道中ネックレスを追う国王の息子たちや少女(星)の心臓を狙う老魔女から苛まれ逃れるため共に手を取る。やがてお互いが無二の存在になっているのに気付き、青年がこの石の持主と判る。

  トパーズは第2の脳とも言われる自律神経の中枢、みぞおち(体内の太陽が宿る第3チャクラ)に作用し、その電気的性質が身体に電圧を生み出し、神経性の疲労や心の傷を癒すという。

2016年10月3日月曜日

週刊NY生活No.602.10/1/16'「10月の誕生石オパール」

                 10月の誕生石オパール「貴蛋白石」

  宝石品質のオパールは、規則正しく積層した透明で微細なシリカ球(地球の表層の60%占める元素)とその隙間を埋める水で形成される。そこに光が通ると、あらゆる宝石の色合が奏でる万華鏡のような遊色効果(色彩が変化する現象)が見られ、歴史上多くの文化を通じて全ての宝石の中で最もミステリアスで幸運なものとみなされていた。最初に登場するのは古代ローマ時代で、その語源は貴石を意味する古いサンスクリット語の'upalus'から転じたローマ語のオパロス'opalus'。中世に入ってもヨーロッパの王族貴顕に愛されたが、やがて「オパールは10月の誕生石で、他の月に生まれた人には不運」だという迷信が広まった。それは、英国の作家S・W・スコットの小説『ガイエルスタインのアン』(ヒロインと髪飾りのオパールが魔法にかけられ、彼女の感情により髪飾りの輝きが変化する。オパールに聖油をかけて魔法を解くと、彼女は一握りの灰になった)に由来すると言われるが、真実は宝石業者泣かせにある。水分を含むこの石はデリケートで傷つきやすく 、熱や乾燥により割れたり遊色が弱まるからだ。後に英国のビクトリア女王は、自国領土の豪州が有名な(ブラック)オパールの原産地だったので、この石を王室の婚礼に使用するなど商業ベースで広めてゆき、再び人気を取り戻した。

  オパールの遊色は光のスペクトルと同様、シリカ球のサイズが大きくなるにつれ、紫→青~緑~黄→赤に変化するが、特に赤色が出るのは難しく希少性は高い。様々な色彩を持つこの石は全てのチャクラに作用し、私たちの日常生活を宇宙意識へと高めてくれるという。但しオパールは身に付ける前に、己の持つ想念を増幅するので浄化する必要がある。ちなみに情熱や集中力を高めるファイヤー・オパールは起業家に最適とのこと。

2016年9月12日月曜日

週刊NY生活No.598.9/3/16 '「9月の誕生石サファイヤ」

                    9月の誕生石サファイヤ「蒼玉」

   サファイヤは古代から原産地インド周辺の仏教徒の間で、心に平和をもたらし病気や災難を防ぐ石として尊重された。ヨーロッパでは、インドとの交易が盛んになる以前、サファイヤは青色(ギリシャ語の'sappheiros'を語源)石の総称で、旧約聖書にも登場し珍重されたが、その大半はラピスラズリ(瑠璃)だった。中世の頃から司教は、邪念や色欲を消して神の恩恵を受けると言われたサファイヤの指輪を嵌め、信者に触れて人々の悩みや苦しみを救ってきた。特にこの石を愛でたのが英国王室で、最古は聖エドワード聴罪司祭の宝冠の十字架に嵌められ、近年はチャールズ皇太子がレディ・ダイアナに12ctの婚約指輪を贈った。
  コランダム族(鉱物)のサファイヤは一般的に青色を指し、中でも矢車草の花の色をしたインド・カシミール地方の石は最高品質。また青色に限らず、ファンシーサファイヤと呼ばれる、赤色(ルビー)を除く様々な色相がある。
   サファイヤは、最も深い藍色光の振動数でエネルギーを集め、直感力が絶大になった持ち主を世界の征服者にするという伝説から「皇帝の石」とも呼ばれた。ナポレオンはこの石(護符)を持ち、次々とヨーロッパの領土を広げ帝国を築き上げる。一方、愛妻ジョゼフィーヌの浮気に悩みこの石を彼女に譲ってしまった。途端に彼は浮気に走り、2番目の妃を迎え待望の皇太子も得たが、これを頂点にロシア侵攻という破壊への道を辿る。

  作家の藤本ひとみ『皇女ジョゼフィーヌの恋』によれば、貧困貴族の出で無教養なジョゼフィーヌが地位や財産目当てに逢瀬を重ねたのは処世術であった。彼女は「初婚は不幸で、2度目(ナポレオン)も離婚されるが、王妃以上の身分と贅沢な暮らしが出来る」という占いを信じ、愛していなかったナポレオンに人生を賭けた強かな女性である。