Jewelry sommeliere

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NY州立大学FIT卒業。 米国宝石学会鑑定・鑑別有資格(GIA-GG,AJP)。 CMモデル、イベント通訳コンパニオン、イラストレーターなどを経て、両親の仕事を手伝い十数カ国訪問。現在「美時間」代表。今迄培ってきた運命学、自然医学、アロマテラピー、食文化、宝石学などの知識を生かし、健康で楽しく感動的な人生を描くプランナー、キュレーター、エッセイスト、ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere)

2016年10月3日月曜日

週刊NY生活No.602.10/1/16'「10月の誕生石オパール」

                 10月の誕生石オパール「貴蛋白石」

  宝石品質のオパールは、規則正しく積層した透明で微細なシリカ球(地球の表層の60%占める元素)とその隙間を埋める水で形成される。そこに光が通ると、あらゆる宝石の色合が奏でる万華鏡のような遊色効果(色彩が変化する現象)が見られ、歴史上多くの文化を通じて全ての宝石の中で最もミステリアスで幸運なものとみなされていた。最初に登場するのは古代ローマ時代で、その語源は貴石を意味する古いサンスクリット語の'upalus'から転じたローマ語のオパロス'opalus'。中世に入ってもヨーロッパの王族貴顕に愛されたが、やがて「オパールは10月の誕生石で、他の月に生まれた人には不運」だという迷信が広まった。それは、英国の作家S・W・スコットの小説『ガイエルスタインのアン』(ヒロインと髪飾りのオパールが魔法にかけられ、彼女の感情により髪飾りの輝きが変化する。オパールに聖油をかけて魔法を解くと、彼女は一握りの灰になった)に由来すると言われるが、真実は宝石業者泣かせにある。水分を含むこの石はデリケートで傷つきやすく 、熱や乾燥により割れたり遊色が弱まるからだ。後に英国のビクトリア女王は、自国領土の豪州が有名な(ブラック)オパールの原産地だったので、この石を王室の婚礼に使用するなど商業ベースで広めてゆき、再び人気を取り戻した。

  オパールの遊色は光のスペクトルと同様、シリカ球のサイズが大きくなるにつれ、紫→青~緑~黄→赤に変化するが、特に赤色が出るのは難しく希少性は高い。様々な色彩を持つこの石は全てのチャクラに作用し、私たちの日常生活を宇宙意識へと高めてくれるという。但しオパールは身に付ける前に、己の持つ想念を増幅するので浄化する必要がある。ちなみに情熱や集中力を高めるファイヤー・オパールは起業家に最適とのこと。