縁起物と宝石「双頭をもつ蛇の指輪」6
陰暦の10月の別名は「神無月」だが、出雲地域以外のことを指す。それに対し、出雲地方だけは「神在月(かみありづき)」と呼ばれるその訳は、その期間、出雲に全国の神々(須佐之男命や大国主命など「国津神」系を指し、天照大神などの「天津神」は除く)が集まり一堂に会するからだ。出雲大社の西方約1キロの稲佐の浜では全国の神々をお迎えする古式豊かな「神迎(かみむかえ)神事」が執り行われる。その後、到着された神々は御使神「龍蛇神」さまを先導として出雲大社まで御神幸(みしんこう)する。それから拝殿にて奉迎の神迎祭が行われる。この神在月において、特に重要視されるのが「龍蛇神」さまの存在だ。龍蛇神は、海蛇の神様でもあり、水に住む「龍」から火難、水難除け、地に住む「蛇」から土地の災難よけの2つの信仰が融合し、田んぼや農作物を守る存在となり日本各地で稲作と深い結びつきをもった。また、蛇は古来より再生や生まれ変わりを象徴し人々はその力に畏敬の念を抱いてきたとされる。現実に、蛇は世界中で4,000種以上が生息しており、国内では猛毒をもつマムシやヤマガシを含めた約8種類となる。屋根裏などに住みつきネズミなどを捕獲してくれることから家の守り神として大事にされてきた、気性がおとなしく毒を持たない代表的な日本固有種でくすんだ緑色した、2メートルの全長にもなる最大なアオダイショウは、金運アップや子孫繁栄、健康・長寿を暗示する縁起の良い存在で幸せをもたらしてくれると信じられてきた。さらに、神社などでご祭神として崇められてきた世界的にも非常に珍しく貴重で学術的評価も高いとされる白蛇は、アオダイショウのアルビノが遺伝的に固定している種で、目はルビーのように赤く、全身は白く光沢があり清楚な姿でとても神秘的だ。およそ260年前に書かれた「岩邑年代記(がんゆうねんだいき)」によると、白蛇は今から約400年前、岩国に移封された藩主吉川広家(きっかわひろいえ)が錦見一帯で米作りに努めたころ、多くの米倉でネズミを餌にしていたアオダイショウの色素細胞のない変種として遺伝し生まれてきたとされる。そして当時の人々がこの珍しい白蛇を有益で幸運を呼ぶ家の守り神として、その数を増やしたと考えられている。
さて、ヘビの頭が外側は厄除けになり、内側に向けると金運アップになる双頭指輪は、画竜点睛の思いが込められた逸品だ。


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