アメシスト(紫水晶)
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フランスの作家アンドレ・ジットが書いた不朽の名作「狭き門」の中に、まるで物語のキーポイントを握るかのように、アメシストで作られた古くて小さな十字架が登場する。主人公のジェロームが愛する、従姉アリサは母の形見であるそれを身につけている。彼女も彼を愛するが故に完璧をめざして神への道を歩むが、進めば進むほど心とは裏腹に彼との距離は開き、終には苦悩しながら死しんでいく。
人間や動物には生命活動や精神をコントロールするため、身体の中心線に沿ってエネルギーの中枢となる「7つのチャクラ」があると言われる。アメシストの紫色は頭頂のチャクラ(霊魂の聖域)にあたるとされ、脊椎の基部にあたる一番下のチャクラ(生命・肉体)の赤色が、青色の喉のチャクラ(創造力)まで上昇すると混じり合い、霊的な本質は悲しみに鍛えられ高貴なものになる。そして人は神の愛により覚醒して無私の奉仕をするという。高い霊性を認めていた初期のクリスチャンは、アメシストを自己犠牲、純潔、慈愛のシンボルと見なした。
ちなみにアメシストの指輪をはめるのは、霊的である中指がお勧めだ。