「放課後を楽しむ団塊世代富裕層」
数年前から65歳を迎えて本格的な余暇生活に入った団塊世代は、年金を額面通り受給できる最後の世代だ。日本の個人金融資産も米国に次ぎ世界第2位で、その約6割を60歳以上の富裕層が占める。内閣府で行われた意識調査(平成23)によると、彼らの世帯1人当たりの総所得(平均世帯数1,56人)は197,4万円(公的年金、恩給が67,5%)で、全世帯(2,68人)の200,4万円と変わらない。貯蓄率に至っても1番高く、全世帯の16,64万円を上回る22,57万円(65歳以上)。その上、9割が持ち家である。負債も少なく暮らし向きに心配がないと答える人が70%に及ぶ。特に女性の経済的余裕度は男性よりも高い。
男女共に趣味や楽しみは、テレビ・パソコン・旅行が上位を占める。以下、男性は散歩・新聞・雑誌と続き内向き傾向を見せるが、一方で女性は家族との団欒・買い物・友人、仲間との交際など外へと向かう。例えば、お洒落な女性が銀座中央通りに面した建物の中に次々と向かう先にあるのが女性専用健康麻雀教室。テレビでボケ防止と推奨されてから反響が大きく、賭けない・吸わない・飲まないが鉄則で、午前中から夕方まで先生に麻雀を教わり、その後デパートで買い物をして帰宅する。私も参加してみたことがあるが、団塊世代中心のご婦人方が真剣な眼差しとしなやかな指で雀士の如くパイを追う姿は新鮮だ。そして胸元には輝く宝石で象ったペンダント。伺ったところ、溺愛した亡き犬を片時も忘れないために写真を入れているそうだ。昼食時になり、各人が持参した彩り豊かなお弁当を広げて始まったお喋りに誘われたとき、このような華麗奔放な生き方もありかなと感じた。