Jewelry sommeliere

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NY州立大学FIT卒業。 米国宝石学会鑑定・鑑別有資格(GIA-GG,AJP)。 CMモデル、イベント通訳コンパニオン、イラストレーターなどを経て、両親の仕事を手伝い十数カ国訪問。現在「美時間」代表。今迄培ってきた運命学、自然医学、アロマテラピー、食文化、宝石学などの知識を生かし、健康で楽しく感動的な人生を描くプランナー、キュレーター、エッセイスト、ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere)

2015年9月8日火曜日

週間NY生活No.546 7/25/2015 「人生の放課後7」

                         シニア層のペット事情

  平成26年度の全国犬猫飼育実態調査によると、飼育率でいうと猫は約996万匹、犬は約1035万匹で、おおよそ日本の約16%の人が飼っている計算になる。昨今、子ども(15歳未満)のいる家庭よりもペットを飼育する家庭のほうが多いのだ。これは飼育環境が良くなったことや、少子高齢化により、犬や猫がペットから生活に喜びを与えてくれるパートナー的存在に変化してきたからである。飼育状況を年代別でみると50~60歳代が最も多く、ペットを飼う効用を聞いてみたところ、「生活に潤いや安らぎを実感できるようになった」「孤独感を感じなくなった」「情緒が安定するようになった」「夫婦の会話が多くなった」など、健康面や精神面そして人と人をつなぐコミュニケーションのきっかけとして重要な存在であることも明らかになった。いわゆる犬猫といえども立派な家族の一員なのだ。それを物語る代表的なケースは、ペットの犬に巨額の遺産を相続させたというニューヨークの大富豪夫人の話だ。

  最近、日本でもペットのための遺言書を作成するシニア層が出てきた。実際には直接ペットに遺言書を残すことは不可能なので、信頼できる人間にペットの為の世話や財産管理を任せることによって、ペット自体の所有権を相続して将来を見てもらうのだ。一方、ペットと一緒に入れる墓も増えてきた。犬の平均寿命は13~17年、猫は15~20年といわれるのでおのずと先に死んでいく。そこで、ミニ骨壷に遺骨を保管し将来自分の没後一緒に葬ってもらうという寸法だ。そういえば、かつてわたしがニューヨークに住んでいた頃、隣人は犬や猫を漏れなく飼っていた。その一人が放った言葉が印象的だった。「愛するこの子は神様からの贈り物なの。"DOG" を逆から読むと"GOD"よ!」。

週間NY生活No.542 6/27 2015「人生の放課後6」

                           支援活動を待つ「お一人さま」

  日本で約600万人を数える高齢者の「お一人さま」が人生の放課後を謳歌できるのは、ある程度健康を保っているからだ。内閣府が平成24年に行った全国55歳以上の男女高齢者の健康に関する意識調査によれば、現在の健康状態が普通ないし良好、また生きがい(喜びや楽しみ)を感じるといった人々が8割強にも及んだ。その割には病院に1ヶ月に1回以上通っている人が世界的に見ても多いのは高齢者への支援活動が活発化しているからだといえる。またその人達に認知症が多いのも事実だ。
   厚生労働省の調査によると、2012年に約470万人に達した認知症の高齢者が10年後には1.5倍に増える見通しとなり、そこで各界の有識者、地域の暮らしを支える企業・団体や保険・医療・福祉団体などが「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」を発足させた。それに応じて日本全国に約53000店舗(2015年)を占めるうちの大手コンビニも、高齢者を支援するサービスを開始した。注目すべきは地域の自治体と提携した見守り活動を兼ねた宅配だ。出来合いのお弁当やお惣菜を届けるだけではなく、「お身体に変わったことは無いですか?」などと安否を確認したり、「今度おでんを持ってきて欲しい」「郵便物をポストに入れて欲しい」などの要望も受け入れる。最近話題になっている「ドローン」による宅配サービスの提案も出ているが、マンツーマンによるサービスには敵わない。ある高齢者によると、1人暮らしにとって会話をするのは亡くなった妻の写真に向って手を合わせる時だけ。だから宅配の人と1日にほんの数分でも話すことが楽しいという。また「お一人さま」が亡くなっているのを発見することもある。彼らによる通報が半年で70件以上にも及ぶというから驚く。