磨羯宮(やぎ座)とラピスラズリ(瑠璃・青金石)
エジプト古王国時代の墳墓から現地では産出されないラピスラズリの装飾品、工芸品が数多く発見された。ツタンカーメン王が嵌めていたブレスレットは、数種類の脇石に中心は太陽と再生のシンボルである大きなスカラベをラピスラズリで象ったもので、護符として使われた起源とされる。シルクロードを通じて東方に伝わったラピスラズリは、仏教世界の中心にそびえ立つ須弥山で産出される宝石(七宝)の一つ「瑠璃」のこと。その紫がかった深みのある鮮やかな青色=瑠璃色は至上の色(現在でも良質な石の基準でカルサイト成分の白色混入がないもの。例外はパイライトの金色がバランス良く入っている石で、古代ローマ博物学者プリニウスが「星の煌めく天空の破片」と賞賛した)として神聖視された。
古代から現代に至るまで最良質のラピスラズリの一大産地はアフガニスタンのバタフシャン鉱山。主に4つの鉱物から構成される岩石のため硬度は5-6と低く、ネックレスやブレスレットに愛用される。一方、昔からラピスラズリは高価な顔料・岩絵具の原材料として有名だが、画家フェルメールはこの青色に魅了されこの絵の具を「青いターバンの少女」をはじめ代表作にふんだんに使用した。今世紀の著名な預言者エドガーケーシーは「ラピスは不思議なパワーを放射して持つ人に創造力と霊能力、凶を吉に変える幸運をもたらす」と述べているが、人の中にすでに存在しているそれらの力を引き出してくれるのだ。
土星に支配され知性の象徴とも言われる磨羯宮は、己の力で渡り歩く山上の険しい崖からの視座で千里を見通す力がそなわる反面、周りが見え過ぎて冷めた感性になる。そして孤軍奮闘に陥りやすく、人との繋がりや協調性を欠く。また野心が強く物事を一面的に捉えがちな磨羯宮にラピスラズリは意識を変革してくれる強力な守護石となる。