Jewelry sommeliere

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NY州立大学FIT卒業。 米国宝石学会鑑定・鑑別有資格(GIA-GG,AJP)。 CMモデル、イベント通訳コンパニオン、イラストレーターなどを経て、両親の仕事を手伝い十数カ国訪問。現在「美時間」代表。今迄培ってきた運命学、自然医学、アロマテラピー、食文化、宝石学などの知識を生かし、健康で楽しく感動的な人生を描くプランナー、キュレーター、エッセイスト、ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere)

2021年11月7日日曜日

週刊NY生活No835 9/18/21'宝石伝説44 山梨と宝石「新ブランド[リゾネイト]の誕生秘話」17

      山梨と宝石「新ブランド【リゾネイト】の誕生秘話」17



 「石を揺らしてキラキラさせるなんて、面白いものを作る会社だなぁ」と、知り合いからダンシングストーンの商品をもらった歌舞伎役者の市川九團次氏は、呟くや否や自身のブランド【FULERU NINE】でクロスフォー社とタイアップし、シルバー×キュービックジルコニアのアクセサリーネックレスを販売した。またサンリ王の土橋氏と会い、いろいろな話をしていくうちにサンリオウはジュエリー、九團次氏は演技で「人びとを感動させたい」という思いがかさなり意気投合していったのは2018年の初頭。それをきっかけに、両者がコラボする「伝統と革新の融合」をコンセプトにした歌舞伎や日本の伝統文化をテーマとするジュエリーのシリーズを打ちだすことになった。すでに自身のブランドをもつ九團次氏だが、物販の最高峰である貴金属とダイヤモンドなどの天然石によるジュエリーブランドをいつかは手掛けたいと思いを募らせていたのだ。そして早速サンリ王のもとで会社のスタッフと共にプロジェクトがスタートとした。九團次氏の意見やアドバイスを中心に、ブランドコンセプト、イメージカラー、ロゴなど歌舞伎の演目内容、登場人物などを深掘りしてシリーズごとに進められた。音楽と同じように歌舞伎のような優れた物語が長きに渡って人々を魅了しているのは、観るごとに人々の状況や心境によって異なる輝きを放ち続けているからで、そこからブランド名【Re;sonate】(リゾネイト)(Reは繰り返しを表し、sonateは器楽を使った音楽の奏鳴曲:ソナタのこと)に命名した。

 ついにブランドコンセプト「伝統と革新の融合」による第一弾、気高さや信念、美しさなど自分自身がもつ才能を開花させたことで人生を切り開いた歌舞伎を語るには欠かせない5人の女性をテーマにした【花ひらく】シリーズが生まれた。

使用する地金はプラチナ、イエローゴールド、ピンクゴールドの3色展開で、石は天然ダイヤモンドを使用、今後は色石も導入予定だという。ターゲットは、本物の良さを知り尽くしトレンドも押さえつつ日本の伝統や文化に造詣が深く、上質なものを好む50代以上の女性。

シリーズの最初に登場するのは、巫女でありながら歌舞伎の創始者である自らの才能で新たな芸術文化を作り上げた傾奇者であった出雲阿国。ちなみに、歌舞伎の語源となった「傾く」とは、真っ直ぐではなく一筋ではいかないアウトローを意味するそうだ。

週刊NY生活No831 8/21/21`宝石伝説43山梨と宝石「伝統歌舞伎とダンシングストーンの融合」16

     
      山梨と宝石「伝統歌舞伎とダンシングストーンの融合」16


 世界の宝石業界に革新をおこしたダンシングストーンが日本の伝統文化である歌舞伎の舞台に登場するのをサンリオウ土橋氏は眺めていた。その歌舞伎の歴史に少し触れようと思う。

 江戸時代の初期、出雲大社の巫女であった出雲阿国(いずものおくにの表記は当時の資料にはなく、口伝を筆記したなど諸説あり)は京にて、かぶき踊り(奇抜な格好でおかしなことをする「傾き者(かぶきもの)」と呼ばれる者たちの、扮装やしぐさを取り入れた踊りのこと)を舞っていたことでひときわ大きな人気を集めた。やがて、お国一座は京都で人気が衰えると江戸をふくめた諸国を巡業するようになる。三味線による囃子が新たに加わった、男装した遊女と遊女の猥雑なかけ合いのかぶき踊りは、遊女屋でとり入れられたことから「遊女歌舞伎」とよばれ、とうじ各地の城下町に遊里がつくられていたことでわずか10年あまりで全国に広まった。 一方で、お客にとってそこは遊女の品定めの場でもあったといわれる。まもなく、女性が舞台に立つと風俗が乱れるとの理由で女歌舞伎は幕府や藩によって禁止されるが、その後の少年らによって演じられる容色を全面にだす「若衆歌舞伎」も然りであった。のちほど歌舞伎は成人した男性が演じる名目で新たな上演のしかたが模索され、演劇の性格を強めることで舞台芸術として発展し現在に引き継がれていく。

 さて、新ブランド【Re;sonate(リゾネイト)】の商品制作にはサンリ王のもとに、会社の副社長、スタッフと歌舞伎役者の市川九團次プロデュースにより進められた。身につける人の心に直接語りかけるストーリー性のあるデザインで、コンセプトは本物を知る女性に贈る上質さのなかに華やかさと粋な遊び心を感じさせること。その第一弾は、来月(9月)にローンチするという「花ひらく」シリーズで、心の奥底に秘めた才能を開花させる女性のエンパワーメントジュエリーとして、歌舞伎を語るうえには欠かせない5人の女性をテーマにしたモチーフになっている。

 元来わたしたちは、きれいなものや風景をみたり触れたりなど感動することにより、モチベーションが上がって生きる力が湧いてくる。その最大なひとつはガイア(地球)から提供して頂くキラキラと輝く宝石で、太古の昔から人びとはそれに翻弄されながらも魅了し続けているのだ。