Jewelry sommeliere

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NY州立大学FIT卒業。 米国宝石学会鑑定・鑑別有資格(GIA-GG,AJP)。 CMモデル、イベント通訳コンパニオン、イラストレーターなどを経て、両親の仕事を手伝い十数カ国訪問。現在「美時間」代表。今迄培ってきた運命学、自然医学、アロマテラピー、食文化、宝石学などの知識を生かし、健康で楽しく感動的な人生を描くプランナー、キュレーター、エッセイスト、ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere)

2024年11月4日月曜日

週刊NY生活No.976 9/21/24' 宝石伝説80「日本の神々『宇迦之御魂神』3」53

   山梨と宝石「日本の神々『ウカノミタマノカミ(宇賀之御魂神)』3」53


『記・紀』にて存在が薄いイザナギノミコト(伊弉諾尊)の子、三貴神の1人ツキヨリノミコト(月夜見尊)が『日本書記』の神代紀にはじめて活動を見せる場面は、保食神のウケモチノカミ(伏見稲荷大社祭神の筆頭ウカノミタマノカミと同神)が現われ、その口からはきだしたもので、国・海・山から幾多の食物や蚕が生じ、穀物は田植えして蚕は口にふくんで糸をひきだしたところあたりだ。これは地上生活を送るうえで不可欠な農業と養蚕の起源に値する。ちなみに、繭を口の中にふくみ温めうるおして糸口を取り糸を引きだす原始的な製法は、日本最古の歴史を有する茨城県の結城紬の製法と一致する点が多い。さて、月の運行によって判断する太陰暦に基づく季節や天候による種まきや苗うえなど植物栽培の端緒を開いた「夜の食国(おすくに)を治める」ツキヨリノミコトを祖神として祀るのは、宇佐神宮(4万社ある八幡総本宮)を司る菟狭(うさ)族。古語にある「食国政申大夫」(おすくにまつりごとをもうす君)という名詞は、政務を天皇に申し上げる人のことで大臣をさしていう呼び名だ。皇室が先祖に対して祭祀をおこなう日本最高格の神社は「二所宗廟(にしょそうびょう)」といい、現在は伊勢神宮と岩清水八幡宮だが、奈良・平安時代までは宇佐神宮が伊勢神宮以上に重要視されていた宗廟で、聖武天皇の時代に奈良の大仏鋳造のさいや、皇位継承のときなどは宇佐神宮の託宣でものごとを決めていた。その宇佐神宮下宮にて毎日神饌米を炊き上宮に献げる御炊殿(みかしぎでん)を預っていたのは、伊勢神宮三神主の祖先神のアメノムラクモノの命で祭神はウカノミタマの神だ。

 ところで「崇神紀」によると諸事情によりアマテラスは宮廷の外に遷されたのち、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)の二つからなる伊勢神宮に鎮座された。アマテラス大神がトヨウケ大神の神坐の前で調理された神田の御稲を食べる「宵明けの大御饌(おおみけ)」の儀は、伊勢神宮の神嘗祭で最も重要視されている。それを主るトヨウケ大神は伊勢神宮の『延暦儀式帳』に「下宮に鎮座し給うウカノミタマノミコト」と記されている、五穀豊穣から実りある人生を導いてくれる神である。それを表したペンダント富饒(FUJOU)が最後に(株)クロスフォーからでた。


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