Jewelry sommeliere

自分の写真
NY州立大学FIT卒業。 米国宝石学会鑑定・鑑別有資格(GIA-GG,AJP)。 CMモデル、イベント通訳コンパニオン、イラストレーターなどを経て、両親の仕事を手伝い十数カ国訪問。現在「美時間」代表。今迄培ってきた運命学、自然医学、アロマテラピー、食文化、宝石学などの知識を生かし、健康で楽しく感動的な人生を描くプランナー、キュレーター、エッセイスト、ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere)

2024年11月4日月曜日

週刊NY生活No.960 5/18/24' 宝石伝説76「日本の神々『櫛名田比売』3」49

     
 山梨と宝石「日本の神々『クシナダヒメ(櫛名田比売)』3」49


 神話によると、スサノオノミコト(須佐之男命)によるヤマタ(大勢)のオロチ(高句麗族)の退治が始まるや、クシナダヒメ(櫛名田比売)はスサノオの神通力により湯津爪櫛(ゆつつまぐし)に変えられ、スサノウの髪に押し込まれた(櫛名田比売の名の由来)。そしてスサノオは、彼女の両親に用意させた酒槽(さかぶね)によりオロチ族を酔わせて隙をうかがい彼らを狙い撃ちする。その作戦にでたのは、スサノオの握っていた銅製の十束剣(とつかのつるぎ)がオロチ族のもつ鉄剣には勝ち目がないと判断したからだ。権力の象徴である鉄製の『くさなぎ(草薙)の剣』をオロチ族から手に入れたことは、やがて権威の伝達を意味する皇位継承の儀式につかう3種の神器(天孫降臨の際にアマテラス(天照大神)がニニギ(邇邇芸命)に授けた宝物の一つとなる大きな意味合いをもつ背景となっている。スサノウがヤマタのオロチを退治してクシナダヒメを妻に迎えて出雲国須賀の地に宮殿を造り住みはじめたころ、大地から雲が湧き立つのを見て『八雲立つ 出雲八重垣 妻隠(ご)みに 八重垣つくる その八重垣を』と詠んだ歌は日本において初の和歌となった。まもなくスサノオとクシナダヒメの二神は、まぐわいによってヤシマジヌミノカミ(八島士奴美神)を生む。この神は、やはりオオヤマツミ(大山祇神)のもう1人の娘で、ニニギの妻となるコノハナサクヤヒメ(木花佐久夜毘売)の姉妹のコノハナチルヒメ(木花知流比売)と結婚し、やがてその子孫が出雲の神々の中心をなすオオクニヌシノミコト(大国主命)となる。

 その古代出雲王国があらゆる大陸文化の上陸地であり大和国に先立つ先進国であったことは『記・紀』の神代条に五穀や蚕の発祥が豊葦原の中津国=出雲国と書かれていることが証明している。さらに、出雲勢力の政祭一致の支配者は、須佐之男命・大国主命・事代主神(大国主命の息子)などのクニノミヤツコ(出雲国造)らで出雲大社の神官家(千家氏)に継承されるていく天照大神系の天皇家より古い時代の日本の土地神=「国津神」だ。一方で、 天孫降臨した天照大神を頂点とする神々は、伊勢神宮・鹿島神宮・香取神宮などに祀られている「天津神」という。

さて、クロスフォー(株)から小さな櫛に姿を変えた櫛名田比売をイメージしたピアス豊穣(HOUJOU)がでた。

0 件のコメント:

コメントを投稿