Jewelry sommeliere

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NY州立大学FIT卒業。 米国宝石学会鑑定・鑑別有資格(GIA-GG,AJP)。 CMモデル、イベント通訳コンパニオン、イラストレーターなどを経て、両親の仕事を手伝い十数カ国訪問。現在「美時間」代表。今迄培ってきた運命学、自然医学、アロマテラピー、食文化、宝石学などの知識を生かし、健康で楽しく感動的な人生を描くプランナー、キュレーター、エッセイスト、ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere)

2024年11月4日月曜日

週刊NY生活No.972 8/17/24' 宝石伝説79「日本の神々『宇迦之御魂神』2」52

    
山梨と宝石「日本の神々『ウカノミタマノカミ(宇迦之御魂神)』2」52


 ウカノミタマノカミ(宇迦之御魂神)は稲荷大神のご神名だ。稲荷の神像や絵姿に見られるように、女神が白狐にまたがり稲穂をかついでいたり稲荷の神紋が稲穂を抱き合わせた形になっているのは、稲に宿る神秘的な精霊を表し五穀をはじめ一切の食物を司る神を表徴している。キツネ(狐)は稲荷の本体ではなく眷属や神使いにあたり、宮中に奉仕する八神のうちのミケツカミ(御饌津神)を三狐神の字に当てたことにより古語であるケツネがキツネに転じた音便とのこと。稲荷の幟(のぼり)にハート形の火炎が描かれているのは、心臓が身体における生命の原動器官としてその根元をつかさどるものとみなすところから稲荷のシンボルマークとなっている。

 ところで、ウカノミタマは、スサノオ(須佐之男命)とオオヤマツミ(大山津見神)の娘であるカムオオイチヒメ(神大市比売)との間に授かった兄妹、オオクニヌシ(大国主命)に協力してスクナヒコ(少彦名神)とともに出雲建国・国土経営に大いに貢献したと言われるオオトシカミ(大年神)の妹にあたる。ちなみに要となる神々を次々と世に送りだしたスサノオは、初め誓により宗像三女神を誕生させたのち、最初の妻であるクシナダヒメ(櫛名田比売)との間には子孫で、やがて出雲大社の主神となるオオクニヌシを輩出している。ウカノミタマは、『古事記』では「宇迦之御魂神」、『日本書紀』では「倉稲荷魂命」と表記され、伊勢神宮下宮に鎮座し天照大神の朝夕の大御饌(おおみけ)を仕へ奉るトヨウケヒメノカミ(豊宇気比売神)でもあり、その職名はオオミケツヒメ(大御膳之神)という。五穀などを司るウケモチノカミ(保食神)のオオゲツヒメ(大宜都比売神)と混同されるが全く別の神である。また、そのトヨウケヒメは、イザナギ(伊弉諾尊)、イザナミ(伊奘冉尊)の夫婦時代の最後の子であるワクムスビノカミ(和久産巣日神)の子で天孫降臨の際、天下った神とされている。それはそうとして、『記・紀』は全般的に学者による神の表記の誤読もしかり、登場する神の付け足しや削除、時代錯誤が見受けられるなど当時の権力者による改ざんがあったと思われる。

さて。(株)クロスフォーから稲穂をモチーフにした黄金に輝くリング興隆(KOURYU)がでた。


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