Jewelry sommeliere

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津延美衣(つのべみえ)NY州立大学FIT卒業。米国宝石学会鑑定有資格者(GIA-GG,AJP) 運命学・自然医学・アート・アロマテラピー・食文化などの知識を元に感動的な人生を描くプランナー・エッセイスト・キュレーター兼ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere) 美時間代表。

2022年2月6日日曜日

週刊NY生活No847 12/18/21'宝石伝説47 山梨と宝石「歌舞伎の演目『義経千本桜』とジュエリー」20

 


山梨と宝石「歌舞伎の演目『義経千本桜』とジュエリー」20



 歌舞伎の演目の一つ『義経千本桜』は、江戸中期1747年11月大阪竹本座で初上演された。源平合戦という史実をもとに、五幕ある場にて主人公が代わりさまざまな人間模様が色濃く繰り広がる。義経が兄源頼朝との争いを好まないことをはじめに登場する者たちの人情深さから、日本人(大和民族)のもつヤップ遺伝子の特色が垣間見られる。さらに、宙吊りなど舞台仕掛けの面白さも楽しめる演目だ。物語は、義経が屋島の源平合戦で大活躍したのにもかかわらず、頼朝の策略で都落ちになリ各地を逃亡する道中、じつは生き延びていた平家武将の(維盛)、知盛、教経らが復讐を誓う展開が中心となる。一方、義経は、京に滞在中に出会った白拍子(男性の服装に刀を身につけ舞いを披露する遊女でもある)の静御前を愛妾にするが落ちゆく旅に連れていかれず、後白河院の御所から戦勝の功として賜った初音の鼓を彼女に与え木に縛りつけ去った後、追手の危機に晒される静を救った家臣の佐藤忠信(その正体は、鼓の皮にされた狐の子供)に「源九郎義経」の名を与え静のお供を命じる。静は恋慕の義経を思い鼓を打ち、それを聴きながら忠信狐は親を乞うなど哀愁を描く。(ちなみに、江戸時代中期の絵師勝川春常の初代坂東三津五郎演じる源九郎狐の浮世絵は、サンディエゴ美術館に所蔵されている)

 この演目の見どころは、「渡海屋・大物浦の段」の平知盛が幽霊姿で義経を襲おうとしたあたり。「すし屋」のいがみの権太は重ねた評判の悪さを撤回するため、維盛を救いたい父の手助けを試みるが裏目にでてしまう末路。桜が満開の吉野の山中で静御前が鼓を打つと、忠信狐が現れる場面。ついに登場する本物の忠信が、義経より哀れみで初音の鼓をもらい受け喜ぶ忠信狐から通力をうけ、義経を狙った猛将の教経を追い詰めるところなど。

 ところで、義経と京都の吉野山で別れて京へ向かう途中、頼朝の追手に捕まり鎌倉へ送られた静御前といえば、義経のみならず鎌倉中の人々を魅了した華麗な舞の名手といわれ、鶴岡八幡宮で舞を披露したことは有名だ(頼朝に白拍子として踊ることを命じられるが、義経を慕う歌を唄い、頼朝を激怒させたという)その華やかに舞っている姿をジュエリーの中で最大限に表現したのが、歌舞伎俳優 市川九團次プロデュースによる(株)クロスフォーのブランド[花ひらく]シリーズの商品名「涙桜」「桜の舞」だ。


週刊NY生活No843 11/20/21'宝石伝説46山梨と宝石「歌舞伎の演目『助六由縁江戸桜』とジュエリー」19


 山梨と宝石「歌舞伎の演目『助六由縁江戸桜』とジュエリー」19

 

 馴じみの稲荷寿司と巻き寿司の詰め合わせが「助六寿司」といわれたのは江戸時代からでその由来は、今でも大人気である歌舞伎十八番の演目「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の主人公「助六」。諸説あるが、いなりの油揚げの「揚」と巻物の「巻」で恋人の「揚巻」を表した江戸っ子の洒落だ。あらすじの舞台は江戸の歓楽街、吉原中之町の三浦屋の界隈。曽我五郎時致が、源氏の宝刀「友切丸」を探しだすため花川戸の助六という侠客に扮装して、侍に片っ端から喧嘩をふっかけては刀を抜かせる。助六の恋人は、吉原にある最高級の三浦屋(遊郭)でトップの花魁の揚巻、一方で彼女に熱を上げ相手にされずとも夜ごと吉原に通いつめる白髪・白ひげの権力者の意休(平家の平内左衛門で、奇しくも友切丸を盗んだ張本人)の3人を中心に話は展開していく。助六は江戸一番の粋でいなせで喧嘩も強い色男で、吉原一の花魁を恋人に持ち、権力者をやっつけるという江戸っ子が憧れるヒーローであった。

 さて、三浦屋で松の位の太夫でもある揚巻は、吉原の張りと意気地を見せる女形最高峰の役柄として知られ、痛快な啖呵で嫌な客をやり込める気風の良さに美貌と気品と知性をあわせ持つ歌舞伎を代表するトップクラスの傾城。揚巻の出端である花魁道中では、傘持ちや妹分の新造、見習い身分の禿(かむろ)を従えて花道から堂々と登場する。三枚歯の高さ六寸(約18cm)重さ3キロの高下駄をはいて披露する独特の外八文字(そとはちもんじ)の歩き方は、少し酒酔いが残っている設定で、七三で立ち止まり「袖の梅」という酔い覚めの薬を一服飲む。そのいで立ちはこのうえなく絢爛豪華で、背中には正月飾りを意識した伊勢海老がくっついているのだから驚きだ。その後の出も、五節句にちなんだデザインになっている。さらに頭には18本のかんざし・櫛が飾られる。それらの総重量は20キロ以上にも及ぶといわれ、美麗だけではなく精神力・忍耐・体力面も兼ねそなえた揚巻は、歌舞伎を語るのに欠かせない5人の女性のなかでも一際輝きを放つ。それを表現したジュエリーが株式会社クロスフォーと歌舞伎俳優・市川九團次氏のプロデュースによる【花ひらく】シリーズ、商品名「花魁道中」「江戸桜」だ。まるで花魁道中の揚巻のように、その大胆なデザインの中心で揺れるダイヤモンドは胸元で閃光を放つ。

週刊NY生活No839 10/16/21'宝石伝説45 山梨と宝石「歌舞伎の演目『桜姫東文章』とジュエリー」18

 
山梨と宝石「歌舞伎の演目『桜姫東文章』とジュエリー」18

 

 日本の歴史でもある歌舞伎の公演は通常、昼・夜の二部制で、上演時間が4~5時間ほどと長いため、時間の余裕のある年代の客層がおのずと多くなる。一幕だけ短時間見るることのできる廉価な幕見席を利用する手段もあるが、近年の歌舞伎に関する調査によると観たことがある人は全体の約2割で、そのなかで1、2回程の人が過半数を占める。その消極的な理由の最大なものは観に行くキッカケがないことだ。また演目のあらすじがわからなく面白くないことが挙げられる。

 さて、そのキッカケ作りになりそうなのが、サンリ王の会社クロスフォーと歌舞伎役者の九團次氏のプロデュースにより誕生したジュエリーブランド【リゾネイト】で、「伝統と革新」をコンセプトに、第一弾として歌舞伎を語る上の立役者である5人の女性をイメージして制作された【花ひらく】シリーズだ。最初に登場した歌舞伎の創始者でもある出雲阿国に次ぐジュエリーのモデルとして登場するのが『桜姫東文章』のヒロインである桜姫。4世鶴屋南北による『東海道四谷怪談』に並ぶ歌舞伎の人気演目で、南北ならではの退廃的な美があふれる傑作だと知られている。

そのあらすじを要約すると、桜姫、権助、清玄を中心に話は展開していく。桜姫は高貴な身でありながら、お家転覆を謀られ父親、兄弟まで殺されたうえ子どもまではらませた悪の魅力を放つ権助に惚れ自ら遊女に身を落とすはめになる。一方、清玄は昔、惚れ込んだ美しい稚児の白菊丸と心中を測ったが自分だけ死にきれずやがて高層となり、その17年後、生まれつき左の手が開かずにいた桜姫にであい念仏を唱えたところ、掌が開いて中から香箱の蓋(昔心中を図ったときに白菊丸が「清玄」と記したもの)が現れたことで、桜姫が白菊丸の生まれ変わりだと確信して因果の糸に執着するように一方的に桜姫を追いかけ、身を滅ぼしてもなお亡霊として現れる。桜姫は極悪の権助一筋だが、その権助は己の出世のみを考えている。彼女はかなり破天荒な運命に翻弄されながら流転の人生を歩むが最後には信念を貫き実家の再興を果たす。男女の性、輪廻転生、人間の持つ欲望と混沌とした世界が華やかな舞台で繰り広がる。

 来春この演目はシネマ歌舞伎最新作として公開が決定しているが、桜姫の信念をモチーフにした桜吹雪が舞うようなデザインのジュエリーを身に付けて実際の舞台も観たいものだ。


2021年11月7日日曜日

週刊NY生活No835 9/18/21'宝石伝説44 山梨と宝石「新ブランド[リゾネイト]の誕生秘話」17

      山梨と宝石「新ブランド【リゾネイト】の誕生秘話」17



 「石を揺らしてキラキラさせるなんて、面白いものを作る会社だなぁ」と、知り合いからダンシングストーンの商品をもらった歌舞伎役者の市川九團次氏は、呟くや否や自身のブランド【FULERU NINE】でクロスフォー社とタイアップし、シルバー×キュービックジルコニアのアクセサリーネックレスを販売した。またサンリ王の土橋氏と会い、いろいろな話をしていくうちにサンリオウはジュエリー、九團次氏は演技で「人びとを感動させたい」という思いがかさなり意気投合していったのは2018年の初頭。それをきっかけに、両者がコラボする「伝統と革新の融合」をコンセプトにした歌舞伎や日本の伝統文化をテーマとするジュエリーのシリーズを打ちだすことになった。すでに自身のブランドをもつ九團次氏だが、物販の最高峰である貴金属とダイヤモンドなどの天然石によるジュエリーブランドをいつかは手掛けたいと思いを募らせていたのだ。そして早速サンリ王のもとで会社のスタッフと共にプロジェクトがスタートとした。九團次氏の意見やアドバイスを中心に、ブランドコンセプト、イメージカラー、ロゴなど歌舞伎の演目内容、登場人物などを深掘りしてシリーズごとに進められた。音楽と同じように歌舞伎のような優れた物語が長きに渡って人々を魅了しているのは、観るごとに人々の状況や心境によって異なる輝きを放ち続けているからで、そこからブランド名【Re;sonate】(リゾネイト)(Reは繰り返しを表し、sonateは器楽を使った音楽の奏鳴曲:ソナタのこと)に命名した。

 ついにブランドコンセプト「伝統と革新の融合」による第一弾、気高さや信念、美しさなど自分自身がもつ才能を開花させたことで人生を切り開いた歌舞伎を語るには欠かせない5人の女性をテーマにした【花ひらく】シリーズが生まれた。

使用する地金はプラチナ、イエローゴールド、ピンクゴールドの3色展開で、石は天然ダイヤモンドを使用、今後は色石も導入予定だという。ターゲットは、本物の良さを知り尽くしトレンドも押さえつつ日本の伝統や文化に造詣が深く、上質なものを好む50代以上の女性。

シリーズの最初に登場するのは、巫女でありながら歌舞伎の創始者である自らの才能で新たな芸術文化を作り上げた傾奇者であった出雲阿国。ちなみに、歌舞伎の語源となった「傾く」とは、真っ直ぐではなく一筋ではいかないアウトローを意味するそうだ。

週刊NY生活No831 8/21/21`宝石伝説43山梨と宝石「伝統歌舞伎とダンシングストーンの融合」16

     
      山梨と宝石「伝統歌舞伎とダンシングストーンの融合」16


 世界の宝石業界に革新をおこしたダンシングストーンが日本の伝統文化である歌舞伎の舞台に登場するのをサンリオウ土橋氏は眺めていた。その歌舞伎の歴史に少し触れようと思う。

 江戸時代の初期、出雲大社の巫女であった出雲阿国(いずものおくにの表記は当時の資料にはなく、口伝を筆記したなど諸説あり)は京にて、かぶき踊り(奇抜な格好でおかしなことをする「傾き者(かぶきもの)」と呼ばれる者たちの、扮装やしぐさを取り入れた踊りのこと)を舞っていたことでひときわ大きな人気を集めた。やがて、お国一座は京都で人気が衰えると江戸をふくめた諸国を巡業するようになる。三味線による囃子が新たに加わった、男装した遊女と遊女の猥雑なかけ合いのかぶき踊りは、遊女屋でとり入れられたことから「遊女歌舞伎」とよばれ、とうじ各地の城下町に遊里がつくられていたことでわずか10年あまりで全国に広まった。 一方で、お客にとってそこは遊女の品定めの場でもあったといわれる。まもなく、女性が舞台に立つと風俗が乱れるとの理由で女歌舞伎は幕府や藩によって禁止されるが、その後の少年らによって演じられる容色を全面にだす「若衆歌舞伎」も然りであった。のちほど歌舞伎は成人した男性が演じる名目で新たな上演のしかたが模索され、演劇の性格を強めることで舞台芸術として発展し現在に引き継がれていく。

 さて、新ブランド【Re;sonate(リゾネイト)】の商品制作にはサンリ王のもとに、会社の副社長、スタッフと歌舞伎役者の市川九團次プロデュースにより進められた。身につける人の心に直接語りかけるストーリー性のあるデザインで、コンセプトは本物を知る女性に贈る上質さのなかに華やかさと粋な遊び心を感じさせること。その第一弾は、来月(9月)にローンチするという「花ひらく」シリーズで、心の奥底に秘めた才能を開花させる女性のエンパワーメントジュエリーとして、歌舞伎を語るうえには欠かせない5人の女性をテーマにしたモチーフになっている。

 元来わたしたちは、きれいなものや風景をみたり触れたりなど感動することにより、モチベーションが上がって生きる力が湧いてくる。その最大なひとつはガイア(地球)から提供して頂くキラキラと輝く宝石で、太古の昔から人びとはそれに翻弄されながらも魅了し続けているのだ。


2021年9月7日火曜日

週刊NY生活No.827 7/17/21'宝石伝説42山梨と宝石「エクセレントロック」(止め金)15

 
   山梨と宝石「エクセレントロック」(留め金)15

 

 世界を舞うクロスフォーカット、ダンシングストーンを演出したサンリオウの土橋氏はその舞台裏に目を向け始めた。きっかけとなったのは「ジュエリーをもっと簡単に身に着けたり外せたりできれば」との最愛の伴侶からの呟きからだ。

 ネックレスやブレスレットを装うさいに必要となってくるのがクラスプ(留め金)で、脇役でありながら主役の華やかな舞(ジュエリー)を支えてつなげていく重要な役割を担っている。さらにわずか数ミリの貴金属などのチェーンに合わせるとおのずと小さくなり着けづらい。自らの経験上だが、片手でつける難しさも加わるテニスブレスレットなど、時間がないときは着けることを断念していた。チェーンを簡単につけられ、デザイン上でもジュエリーの美しさを損なわないクラスプがあったら良いなと願うのはジュエリー好きな人のもつ共通の要望だ。

 その矢先、救世主サンリオウにより開発されてお披露目されたのが、縦長構造によりチェーンのラインに沿ってデザインを損なわずにつながり充分にその美しさを堪能、簡単に片手で挟んで着脱できる止め金具の「エクセレントロック」(特許出願中)だ。そしてこれはダイヤモンドに刻んだクロスフォーカット、ダンシングストーンとすべてを繋いでいく影の立役者になっていく。氏は、「クラスプは地味ではあるけど、チェーンをつなげるのに欠かすことができない大切なパーツなので、すべての商品とコラボレートしてお互いにwin-winの関係を保てば、大きな市場になると思う。また世界のジュエリー市場は50兆円に迫るといわれているなか、クラスプの市場は2000億円になるのでは」と期待に胸を膨らませる。さらに「エクセレントロックの上に蝶々などのカバー(ジャケット)を制作したが、お客さまがOEMでオリジナルのカバーを作ることもできる」と語る。

 2019年の秋、香港の展示会にてこのクラスプを発表したところ予想以上の大きな反響があり、たった1日でジュエリー業界の大手が押し寄せたとのことだ。氏は「この商品は、世界のブランドと共存・共栄の関係を築けるしまた、していくべきである」と語尾を強める。「そして多くの人々が使ってくれることにより世界中に広まっていくのでは」と、三方良しの現代的経営哲学をもつサンリオウの瞳は、ダンシングストーンのようにキラキラと輝いてみえた。


週刊NY生活No.823 6/19/21' 宝石伝説41山梨と宝石「踊り続けるダンシングストーン」14

  
 山梨と宝石「踊り続けるダンシングストーン」14

 

 サンリのオウ土橋氏は社名にもなった「クロスフォーカット」を誕生させた後、人間のわずかな振動がともなっていれば、ダイヤモンドの最大な魅力であるシンチレーション(キラキラの輝き)が絶え間なくつづく画期的な「宝石のセッティング方法」を生みだした。そして宝石がまるで踊っているような姿から「DancingStone」と命名し、この石を揺らす部分の仕組みの特許を取得する。そして2011年に発表するやいな世界的なヒットとなり、当時の年間販売数は360万個にも及んだ。氏は、宝石業界を震撼させる従来なかった新商品を生みだすという奇抜な独創性が評価され、2014年度の「山梨産業大賞・ものづくり大賞部門」を受賞し、その3年後には東証ジャスダックに株式会社上場を果たしていく。

 世界中で昔から水晶にはあらゆるパワーがあるとされ、日本でも戦国時代の武将、武田信玄は戦いの際には常に水晶の「大念珠」を戦勝祈願のお守りとして身に付けていた。山梨県は水晶の大産地でありながらやがて枯渇するも、その加工技術が優れていたことから宝飾産業は大きく発展していく。なかでも甲府市はドイツのイーダー・オーバーシュタインと並ぶ「世界二大宝石加工の街」といわれ、1990~91年のバブル絶頂期に日本のジュエリー市場が3兆円規模だったころ出荷額全国第1位を誇っていたが、バブル崩壊後急速に縮小。2008年のリーマンショック、そして東日本大震災には9000億円を割り込むなど厳しい状況が続いた。さらに少子高齢化や若年層の所得水準の低迷などから今後も国内だけでは飛躍的な売上は見込めない一方で、経済発展の続く中国やインド、東南アジアでの需要は右肩上がりだ。数年前、宝石の展示会で知り合いのブースを訪れた時のこと。奥に座っていたアジア風の女性が自国に向けてのライブ配信をしていた。彼女が母国語を早口でまくし立てながら次々に身に付ける宝飾品はその場で売れていく。まるで深夜のショッピングチャンネルさながらの盛況ぶりだった。

 ダンシングストーンの今日までの累計販売個数は3000万個に至る。自社ブランドであるCrossfor New Yorkにて女性・男性用ジュエリー、小物用品などにセッティングして販売するほか、国内はOEMとして製品を、海外では揺れる部分のパーツを卸している。ダンシングストーンのマーケットはアメリカ、インド、タイ、香港などが中心で、今なお全世界をまたにかけて踊り続けている。