山梨と宝石「日本の神々『禊祓い(みそぎはらい)』とジュエリー27
「ひとり子のために最愛の妻を失った」と、イザナギは火の神を生んで亡くなったイザナミを嘆き涙にむせぶうちに、香具山(奈良県桜井市)にいる泣女がやってきて一緒に泣き悲しんだ。この風習は今でも中国や韓国に残っており葬式には泣女を雇う。そして妻に会いたい気持ちが募り、イザナギは黄泉国に出かけて行った。現代でも青森県下北半島にある恐山のイタコ、沖縄のノロなど「口寄せ」らにより死者との交感をするが、とうじは日常茶飯事であったという。「愛する吾が妻よ。吾とお前による国造りはまだ終わっていないからもう一度帰ってこないか」それに対し「帰りたいから黄泉国の神に許しを得るまで、わたしを見ないで待って下さい」と言われたのに、イザナギは待てずに頭髪の櫛の一本に火をともし妻を見た。するとイザナミの身体はウジが湧きドロドロで、いかずち(雷)が発生していた。イザナギはびっくりして恐れおののき逃げだすと「わたしに恥をおかかせになった」といって邪神を遣わしあとを追わせた。物を投げながら逃げてもどこまでもしつこく追いかけてきたのが、そこに生えていた桃の実を投げたところみな逃げ帰った。その状況証拠といわれる1つの桃の種が1984年、奈良県広陵町の牧野(ぼくや)古墳石室から見つかる。中国でも『春秋左氏伝』の昭公四年の条に「桃は邪気を除くもの」と書かれている。そして自ら追ってきた妻にイザナギは絶縁をいい渡した。イザナミは「それならば、人びとを1日に千人くびり殺す」と放つと「わたしは1日に千五百人の産屋をたてる」と返した。この戦いは現人神であるイザナギが勝利する。『記・紀』の伝承によると、イザナギの「禊祓い」により、左眼を洗うと天照大神が、右眼からは月読命、鼻から素戔嗚尊の三貴子が、そして身に付けていた物からは十二柱の神が誕生したとされる。ところが最初に夫婦二神の和合によってすでに出生していることから諸説あるが、何代ものイザナギ(原日本人の高祖、北方系天孫族)とイザナミ(朝鮮半島から山陰地方に移動した出雲族)が同じ称号を襲名しながら多くの混血分化が生成されたのではとされる。
さて、株式会社クロスフォーから、万物の誕生とその煌めきをイメージしたペンダント『栄耀(EIY0)』がでたが、イザナギの男系祖先は、イザナミにより大いに繁栄してきたのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿