12月の誕生石ターコイズ「トルコ石」
人生の門出や旅人には最高の贈り物とされるトルコ石は、紀元前5千年頃にメソポタミア(現イラク)で発見された最古の宝石だ。自然崇拝のもと、古代エジプト、インカ帝国、ペルシャ、チベットやアメリカ・インディアなどで、肉体と魂を危険や災いから守る天の神の宿った聖なる石とされた。トルコ石('Turquoise 'フランス語)の名称になったのは13世紀以降、トルコ経由でフランスのバイヤーに渡ってからだ。それまでは美しい石を意味する'カレース'と呼ばれていた。その色合いは、銅の成分により空色を生じ、鉄分が混じると黄色が加わって緑色を帯びる。高く評価されるのはペルシャ産の天然(無処理)スカイブルーのもの。トルコ石は体に付けていると変色や欠けにより身に迫る危険を知らせるというのは、本来多孔質でもろく変色(汗や体の油、香水による)や退色(直射日光による)を招きやすいからだ。それらを防ぐために樹脂含浸や表面をコーティングする必要がある。
作家・乾石智子の小説『双頭の蜥蜴』。タイトルの蜥蜴は、母に疎まれ親友まで失った主人公の少女の中に住み付いていた。それは命あるものすべてに共通する、憎しみやマイナス志向が心の中に生み出す化け物のこと。これらが異次元の世界を中心にやがて巨大勢力となり、全世界を支配するという。それを防ぐ役目を担う者が持つ'トルコ石のペンダント'に彼女は出会い自ずと身に付ける。そして異次元の世界に渡りこの石に守られながらその根源を断つ。「ターコイズ・エクスペリエンス」という意欲が湧いたのだ。さらにこの石は、第五チャクラにあたる喉の中枢開発に成果があり、相手の心の奥深く届く'パワーある言葉使い'を授かるのでビジネスにも最適だ。ちなみにトルコ石は人から貰うと効力があり、それに心が込められているとなお良い。