ダイヤモンド(金剛石)
ダイヤモンドは数十億年前、地球の深部にて、ある高温・高圧の条件下で誕生した炭素100%の宝石だ。その後、数億年数十億年もの悠久の時を地中に眠り、マグマ内の強力な気体の膨張と噴出速度により母岩に包み込まれて上昇し、初めて地表に現れる(万が一その途中、圧力が下がった状態で長時間高温にさらされると、皮肉にも最も柔らかなグラファイト(炭)に変質してしまう)。その原子は自然界のどの物質よりも硬く結びついていることから「永遠の絆」の象徴として婚約指輪に用いられる。また、この石から放たれるエネルギーは太陽系の全惑星の光線が含まれており、この石を持つ者のエネルギー(善しも悪しも)を最大なものにする一方、そこに純粋な心が備わると保護膜となり誰も覆し得ない力を与える。さらにチャクラ高位の2中枢(松果体と下垂体)を開く助けもする。ダイヤモンドは特に指輪など一緒に合わせる石の持つ力を増幅させる作用がある。
明治時代の作家、尾崎紅葉の小説『金色夜叉』のなかで、貫一と両思いの許婚だったお宮が、資産家の息子(富山唯継)に嫁ぐ決意を告げる熱海の海岸で貫一に足蹴りされる場面は有名だ。お宮は貫一を慕いつつ、富山が嵌めていた大きなダイヤモンドの指輪(当時の金額で300円)に本当に目が眩んだと思う。目も彩な表面の輝きにもまして、誰もがその内部の光三原色が奏でる七色のシャンデリアが揺れているような幻想的な世界に惹き込まれる。これこそがダイヤモンドの最大の魅力だが、親油性があるので直接手で触れないことが肝心だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿