Jewelry sommeliere

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津延美衣(つのべみえ)NY州立大学FIT卒業。米国宝石学会鑑定有資格者(GIA-GG,AJP) 運命学・自然医学・アート・アロマテラピー・食文化などの知識を元に感動的な人生を描くプランナー・エッセイスト・キュレーター兼ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere) 美時間代表。

2025年2月3日月曜日

週刊NY生活No.980 10/19/24' 宝石伝説81 縁起物と宝石「龍とタイガーズアイ」1

          
        縁起物と宝石「龍とタイガーズアイ」1


 干支は、十干(天を司る、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と、十二支(地を司る、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の2つの要素を組み合わせた60を周期とする数詞が本来の意味となる。例えば、今年2024年生まれの子どもの干支を聞かれたとき、甲辰(きのえたつ)と答えるのが正しい。昔から数え年で61歳を迎える還暦で、赤いものを身につけお祝いをしてもらう習わしがある。人間は十干(天)と十二支(地)の組み合わせで生まれてくるので、十干と十二支をかけた120年が私たちの寿命となるようだ。60~61歳はその折り返し点となり、それまで生きてきた感謝の気持ちと酸いも甘いも噛み分けてきたことをこれからも活かして生きていくことの願いが込められたのが還暦のお祝いとなる。さらに、この年齢を「耳順」と呼ぶのは、人生の修養を積んでやっと他人の言葉を素直に受け入れらるという『孔子(こうし)』が晩年に語ったことからくる。すなわち、天から与えられた使命感が分かる年になったということだ。それ以降も、70歳の(古希)~100歳の(百寿)などの長寿のお祝いは続くそれらを節目年齢という。

 話は変わるが、その年の干支を部屋に飾ったり持ち歩くことは福を招き、無病息災や厄除け祈願の意味があると同時に年神さまをお迎えするという意味もこめられていることから、年始に神社仏閣へお参りに行くとその年の干支にちなんだ縁起物が並ぶ。なかでも十二支の辰(龍)はもっとも縁起の良い干支と言われており、さまざまな願いを叶えてくれるだけでなく「昇り龍」といわれるようにあらゆる物事を上昇させ、いい方向へ導いてくれる力があるとされている。さらに、十二支のなかで唯一の空想上の生き物である龍は、中国では古来より権力・隆盛の象徴として親しまれてきた。そのラッキーアイテムを気楽に求めることができて身に付けられるのは、水晶とタイガズーアイによるブレスレットやブローチなどだ。その2つの宝石の組合せはとても相性が良く、とくに金運が高くなるといわれる。和名を虎目石というタイガーズアイの最大の特徴である名前の由来は、研磨すると光の反射によってきらめく「シャトヤンシー(光線狀)」で、金褐色の細かい縞模様が虎の目の虹彩を思わせることからきている。ところで、この石はシリカ酸塩鉱物である石英(クオーツ)を主成分とする水晶の仲間でもあるのだ。

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