Jewelry sommeliere

自分の写真
NY州立大学FIT卒業。 米国宝石学会鑑定・鑑別有資格(GIA-GG,AJP)。 CMモデル、イベント通訳コンパニオン、イラストレーターなどを経て、両親の仕事を手伝い十数カ国訪問。現在「美時間」代表。今迄培ってきた運命学、自然医学、アロマテラピー、食文化、宝石学などの知識を生かし、健康で楽しく感動的な人生を描くプランナー、キュレーター、エッセイスト、ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere)

2021年8月9日月曜日

週刊NY生活No.811 3/20/21'宝石伝説38山梨と宝石「サンリオウのrightなlight footwork」11

      
       山梨と宝石「サンリオウのrightなlight footwork」11


「宝石のルースを海外で調達して山梨のジュエリーメーカーに売ればビジネスになる」と確信をもち宝石貿易商として独立を目指した土橋氏は、宝石を輸入するにも専門知識や英語力が必要だと思った。早速GIA(米国宝石学協会)のロサンゼルスに位置するサンタモニカ校(現在ではサンディエゴのカールズバッドに本校を構える)を選び渡米する。成功者のもつ特徴でフットワークが軽く行動力があるのだ。今日に至るもGIAは地球上、ダイヤモンドに関する鑑定機関でトップクラスだ。氏はそのころ英語が全く話せないまま勢いで渡米したため、そのハンディキャップをうめるが如くほかの人の3倍、寝るのも惜しみ毎朝5時まで勉強したという。そして「日々試験があり3回落ちると退学になる決まりがあったと」当時を振りかえる。一般的に米国では、入学するより卒業するほうが難しい傾向がありそれは日本の大学とちがう。ちなみにGIA日本校(現在は閉校)では、ペーパー試験の後に実施される20種類(いくつかのパターンあり)の宝石鑑別にて100点満点を得たものだけがディプロマを授与された。実際に見たことのない特徴を持つ1石が全てのパターンに混入しているのは応用問題で困難を極めるが、それまで学んできた成果を問われる。試験に受かるまで繰り返すシステム(数回後は追加料金発生)だ。余談だが私は2度目でパスできた。

 ところで、世界中から集まる学舎で卒業した土橋氏の交友は広く、同級生のみならず先輩後輩が各国のジュエラーとして活躍しており、現在でもみんなが協力体制のもとに繋がりを持っているという。そのうちのインド人同級生が2年前にタイのジュエリー協会の会長に就任したことは大きな嬉びだと語る。タイのバンコクといえば、ルビーの大半とそのほか多くの貴重な宝石がこの都市から世界中に流通していく宝石主要都市の1つであるのだ。

 帰国後の1980年、宝石の鑑定資格を取得した土橋氏は、現在の社名である「クロスフォー」の前身となる土橋宝石貿易を1人で運営したのち、株式会社シバトを設立するやいなや、年商数億円に達するほど法人化には充分すぎる会社に成長させる。そのころ、今では宝石業界でも一般的な国内外の展示会はなくて宝石のルースを調達するために土橋社長は、自ら海外の原産地に赴いていったという。


0 件のコメント:

コメントを投稿