獅子宮(しし座)とアンバー(琥珀)
植物起源の有機宝石アンバー(琥珀)は、太古の松柏科の樹木が分泌した樹脂の特定成分が、空気や水、昆虫、草木などを取りこみながら急速に土中に埋もれてたのち、3千万年以上の時を経て化石化したもの。まるで有史前の記憶がジオラマのように封印されたタイムカプセルだ。アンバーは、樹脂を分泌した木が倒れた地層、その木々が川から海に流れ漂着した沿岸や海底層から発見されるが、その産地は世界的に多く人類との関わりも古い。1億3千年前の装身具がヨーロッパの遺跡から発掘された(約2万年前のビーズは北海道の遺跡から)。ロシアからヨーロッパにかけてのバルト海沿岸地域は、古来最上質のものが大量に産出する。ちなみに透明感のある赤みがかった琥珀色は価値が高い。またドミニカ共和国の、強い蛍光により外観が青みがかったものも注目される。
アンバーは人の爪ほどの硬度で、その暖かい光沢と透明感のある黄金を思わせる色合いは、大地と太陽のパワーを宿すと言われる。樹木が二酸化炭素を吸って酸素を吐くように、マイナスエネルギーをとって心身にプラスエネルギーを循環させるので、これを身に付けると悪霊を払い、病気に効いて(成分のコハク酸は鎮痛剤)幸運をもたらすとされた。中世のキリスト教のロザリオは大半がアンバーだ。その語源はアラビア語の「Anbar(アンバル)」意味は、龍涎香(マッコウクジラの腸内に発生する結石で、希少性の高い香料)のような香り。当時琥珀の取引を一手に担っていたアラブ人は、龍涎香と同じ性質(海原に浮き暖めると芳香が漂う)を持つ琥珀が重ったのだ。
太陽を守護星とする獅子宮は、情熱的で明るく正義感が強く、包容力に行動力が伴うので集まってくる人々の上に立つ。一方、眼中無人になりやすくトラブルを招き、身心ともに停滞ぎみになる。そんな獅子宮にとってアンバーは力強い守護石だ。
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