処女宮(おとめ座)とマラカイト(孔雀石)
近年、世界的に有名なブランドが半貴石を取り入れたジュエリーを発表して話題になっている。なかでも金の枠に嵌められた、鮮明な緑色(主成分の銅による色因)の独特な濃淡の縞模様のマラカイトは目を惹く。ロシアのエルミタージュ美術館の冬宮殿にある「孔雀の間」は円柱から調度品などマラカイトがふんだんに使われている。その背景には、19世紀初めにロシアのウラル地方で発見された大規模なマラカイト鉱床がある。一方、マラカイト鉱石は、5千年前頃の古代エジプトで人類が初めて精錬した金属といわれる銅の主原料だ。また現在に至るまで鮮緑色の顔料として重宝されている。
孔雀が羽を広げるとみえる目のような模様のあるこの石(和名「孔雀石」に起因)は、多くの文化圏で邪視(博物学者・南方熊楠による「evil eye」の訳語で、悪意を持って目を向けた対象者に不運を与える魔力)から身を守るとされ、特に妊婦や子どもが身に付けた。マラカイトの語源は、ギリシャ語で「葵科の植物ゼニアオイ」の緑色をさした「malache」に由来する。その色合いと模様は目と心を癒すことから、ストレスや緊張を和らげ安眠をもたらす。肉体を守護するパワーを秘めるのは、電導率の高い銅が主成分であることと関係する。さらに洞察力と直感力、冷静な分析力を高めてくれるというが、己がマイナス思考のときはこの石を携帯すべきではない。というのは、負のスパイラルを生じるからだ。
処女宮は親切で思いやりがあり責任感の強い律儀な人柄で物事を正確にとらえ、多才な実務能力をもつ。方や描く理想は現実性が乏しく、神経質で他人に対して口うるさく批判的。なお、完璧を目指す処女宮がプラス思考のときにマラカイトを身につけると鬼に金棒になる。
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