Jewelry sommeliere

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NY州立大学FIT卒業。 米国宝石学会鑑定・鑑別有資格(GIA-GG,AJP)。 CMモデル、イベント通訳コンパニオン、イラストレーターなどを経て、両親の仕事を手伝い十数カ国訪問。現在「美時間」代表。今迄培ってきた運命学、自然医学、アロマテラピー、食文化、宝石学などの知識を生かし、健康で楽しく感動的な人生を描くプランナー、キュレーター、エッセイスト、ジュエリーソムリエール(Jewelry sommeliere)

2011年11月1日火曜日

カボチャはパンプキンかスクウオッシュか?

 ハロウィン(10月31日)が近づき、ここ東京のデパートやスーパーマーケットに行くと、こわかわいい顔が細工されたオレンジ色のパンプキンがお出迎えしてくれる。もともとヨーロッパ(ケルト人)を起源とする民俗行事の収穫感謝祭がいつのまにか多民族のあいだでも浸透してきたのだ。
 今や恒例となっている子供たちが仮装して近所の家をたずね、「trick or treat」といいながらお菓子をねだるのは、中世のなごりで、とうじ祭り用の食料をもらって歩いた農民の様子をまねたものとも言われている。子供たちは仲間とミーティングをくりかえし、仮装にありったけの知恵を絞りその日を待つ。そして、「お菓子をちょうだい。くれないと悪いことするからね!」と、かなりの強行でせまる。この欧米ならではの能動的なものに対して、日本では祭りに行ってまず、はちまきを受け取る。そして、山車を引っ張りながら町を練り歩いたあと、そのはちまきと引き換えにお菓子をもらう。(わたしも小さい頃、母や姉に付き添ってもらい参加した。透明な袋の中身はたいてい、大きくて茶色い長十郎の梨と、お煎にキャラメル、チョコレート。それがとても嬉しかったことを今でも鮮明に覚えている)。
お菓子を手に入れる方法に違いはあるが、双方の共通点は、それぞれの子供たちが、おそらく初めて、家庭以外の社会に参加した報酬として食べ物を得ること。手段はどうであれ、五穀豊穣の自然神が祭りを通じて、「はじめに食ありき」といった大切な食育を促して下さっているんだと、ふと思った。
 ところで、ハロウィンは秋の収穫を祝うのと共に悪霊を追い出すお祭りで、Jack-o-'lantern(かぼちゃをくり抜き目・鼻・口をつけた提灯)黒猫、ガイコツ、クモ、クモの巣などを飾る。使用されるそのカボチャは秋を象徴する美味しそうなオレンジ色だが、残念なことに今は手をくわえられており観賞用で、食用ではない。(改良前、むかしは食べていたとか)。
 現在栽培されているカボチャ(南瓜)はウリ科カボチャ属(学名 Cucubita)で、3種類に大きく分けられる。1、西洋カボチャ(栗カボチャともいわれ、ホクホクしていて甘みが強い)。2、東洋カボチャ(日本カボチャの「黒皮南瓜、鹿ヶ谷南瓜」バターナットゥ、スクウオッシュなど)。3、ペポカボチャ(ドングリカボチャ、キンシウリ、ズッキーニなどと、このなかで、ハロウィン用オレンジ色の品種はオータムゴールドで、北米でPumpkinという)。これ以外は総称Squashと呼ばれ、日本のカボチャはkabocha squash(カボチャスクウオッシュ)と呼ばれているいるのだから、なんともややっこしい。

さて、毎年行われるニューヨークのビレッジで開催されるハロウィンパレードは、今年で39年目。ゲイを中心に老若男女、白・黒・黄・褐色など本来の地肌がかくれて誰なのか分からなくなる位の化粧をほどこし、まるで歩くネオン街のようなサイケな色調とド派手なデザインのコスチュームできめた彼らが、目も覚めるような底冷えする暗闇の中から、何処からとも無くゾロゾロと湧いてくるのだからそれだけで息をのむ。そして、変幻自在に踊りだしたり、何ものかに取り付かれたような劇的なパフォーマーにかわる。幼子は寒さも手伝ってか、親にしがみつき小刻みに震えだすことも。世界最大級といっても過言ではないくらいのアーティスティックな迫力と面白さは、行って見なければ体感できない。
耐寒もかくごでね!

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