ティファニー「伝説的なデザイナー」4
ティファニーは、シルバーからダイヤモンドに至るまで万人に扉を開けた有名なブランドだ。
なかでも1990年代、フリーハンドで無造作に描いたように見えて計算しつくされた、「オープン ハート ペンダント」は、シルバーをラグジュアリーなジュエリーへと高めた代表的な作品で、多くの乙女心をつかみベストセラーとなった。その絶大的な人気と時代を超えて愛され続ける永遠のアイコンを生みだしたデザイナーは、1940年イタリアのフィレンツェ生まれのエルサ・ペレッティ(Elsa Peretti)。彼女はニューヨークでモデルとして活躍していたかたわら、ジョルジョ・ディ・サンタンジェロのショーで自身がデザインしたジュエリーが使用されて一躍脚光を浴びた。1974年、ぺレッティがティファニーの専属デザイナーとして参加したその日は、ティファニーのデザイン イノベーションにおける幕開けでもあった。彼女は目にするものを彫刻的でオーガニック、そしてセンシュアルなオブジェに変えていく革新的な美的感覚をもち、世界を魅了し続けた。さらに、高価なダイヤモンドの役割をファッション界において、普段着にも合わせられるジュエリーへと変えた。彼女のジュエリーとデザインの作品は大英博物館、ボストン博物館、ヒューストン美術館の20世紀のコレクションに含まれている。
そしてもう1人のデザイナー、産まれたときから芸術家といわれるパロマ・ピカソ(Paloma Picasso)は、今世紀最大の奇才、アーティストのパブロ・ピカソとフランソワーズ・ジローの間に誕生した(1949年)。服飾に携わっていたパロマは、1980年ティファニーに加わってから大胆でカラフルなジェムストーンに魅了されていく。自然が生み出すものには限界がないと悟った彼女は、天然石を取り入れたトレンドの先駆けとなり、個性あふれるスタイルと作品によってデザインとファッションの世界を代表する象徴的な存在となる。幼少期のお絵描きから、ティファニーを代表するジュエリーコレクションの世界へ羽ばたいたのだ。主な作品に、愛し合う二人が寄り添う「ラビング ハート」がある。彼女の作品は、色使いだけではなくデザインに込められた意味あいからお守りのように愛用されている一方で、ワシントンD.C.のスミソニアン自然史博物館、シカゴのフィールド自然史博物館などにも所蔵されている。
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