毎日の生活の中で食べるということは生きているうえで一番大切なことだ。わたしたちは他の生きものたち同様、地球上で育まれるものを分けて頂き命を全うして大地にその身を還元する。食べることはわたしたち人間にとって、楽しみでもあり他の人とのコミュニケーションを促すものでもある。
家で食事を作るとき、もととなる食材を得る方法も本来なら自給自足が理想だが、残念ながら東京の中心地に住んでいる人たちにとってそれは容易ではない。産地直送に頼るかスーパーや専門店で調達するほかないのだ。まして完全無農薬のオーガニックの野菜や果物を手に入れることは難しい。商品として出荷するうえで多少の農薬は欠かせないようなのだ。それくらいならまだ良いが、実際にはものによって農薬が随分使用されていると思われる。
十年くらい前だろうか、経営コンサルタントをされている方のの講演会に行った時のことだ。その舞台の上で、ホタテの貝殻から生み出された魔法のような粉が紹介された。
(ホタテ貝の身を取り除いた貝殻は大量の廃棄として処分されるのだが、1トントラック1台あたり十数万円かかるとのことで頭を抱えていたそうだ。そこである方が、それに目を付けて研究に研究を重ねた結果生み出された代物。)その粉を溶いた水槽のなかにワックスのついたオレンジやグレープフルーツを入れると、瞬く間にギトギトとした油のようなものが浮いてきた。ワックスだけでなく農薬も浮いてくると話をされたのを覚えていた。
そして偶然にも数年前、その商品かどうかは分らないが「農薬やワックスを取り除くホタテ貝殻パウダー」というのを手に入れた。それ以来購入した野菜や果物をその粉を溶いた水に浸けておくのが習慣になった。
野菜の中で油のようなものがとくに浮いてくるのは、キャベツ、かぶの葉、セロリ、ピーマン、きゅうりなど。一番ショックを受けたのがそのまま洗って食べるイチゴとアメリカンチェリーだ。油のような膜で水面が覆われてしまうのだ。昔の話になるが、わたしの大好きなイチゴをその時期になると母が買ってくれて、毎日のように一パックずつ食べていたことを思い出すとぞっとする。
家食は食材と調味料そして水も吟味できるし、安心で美味しくある程度満足なものが食べられる。わたしの場合、買い物に行って食材を見てからレシピが決まる。思いつき我流按配料理。これからそれらをたまに紹介したいと思う。
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