昔ここニューヨークに留学していた頃、最初はニュージャージー州にあった父の知り合いのお宅に2ヶ月間おじゃまして、2カ所目からマンハッタンに移動した(1年前から既に居た兄の伝で)。最初の住所は79 East 11th st. ヨーロッパに2ヶ月間出稼ぎで不在のファションモデルのStudio(居室とバスルームと小さなキッチンのついたアパートの部屋のこと)にサブレントした。次に、88 Bleeker st.に(One bed roomで studio にプラス一部屋)一年間居て、最終的にOne University(やはりOne bed room)に数年間暮らした。
一般的にマンハッタンにある普通のアパートのキッチンはどこも狭く(例外もあり)あれこれと手の込んだお料理を作って食べるようには出来ていない。作れないことは無いが、基本的に仕事を持つニューヨーカーは外食が好きで(特にディナーは相手とコミュニケーションをはかる大切な時間にもなっている)家では暖めたり、簡単に火を通して食べる程度。(セカンドハウスを郊外に持つ余裕のある人々は、週末やバケーションに入るとそこを訪れ、広いキッチンでお料理を作ったり、好きなことをしてゆっくりとした時間を過ごす)。
TV Dinner というコンテナーの中にメインから付け合わせの野菜、そしてアップルパイなどのデザートまでセットされた冷凍食品が昔から根強い人気があるのもうなずける。(例えると、エコノミークラスの機内食といった感じ)仕事から帰宅後、シャワーを浴びている間にレンジに入れて暖めるだけで、ビールでもあればテレビを見ながら一式そろった夕食が手軽にとれるのだから。むかし私が住んでいた頃、それのメインはハンバーグやグレービーソースのかかったターキーくらいで、試食もしてみたが・・それっきりになった。現在ではイタリアンから中華、そしてダイエット用まであらゆる種類が揃っており味も捨てたものではないと聞いている。また、ニューヨークは諸外国からの一人旅やシングルが多いためか、昼間も一人で気楽に食事出来るところは意外にある。例えば24時間区切りなくオープンしているコリアン、グリークレストランをはじめ、ホットドックやピザなどファーストフードの店もけっこうありお腹は満たせるが、何かが虚しい。
キチネットがあれば、ニューヨーカーのようにスーパーマーケットやグリーンマーケット、チャイナタウンへ趣き、オーガニックの新鮮な野菜・果物中心に、ここならでは(元々移民の国で特に人種のるつぼであるマンハッタンは国際色豊かな食品が手に入る)の食材・食品を買い求める。そして、スープを作ったり、魚や肉をソテーしたり、アペリティフからメインディシュまで自分の好きなものを陶器のお皿に盛りつる。そこにワインストアで手に入れたシャンパンなどを添えればちょっとした暖衣飽食を味わえる。
因に、私が食材・食料品中心に買い物するところはグルメスーパーから一般的なところまで幅広い。なぜならば、ピンからキリまで多民族国家ならではのそれぞれの特色が見いだせるからだ。
Zabar`s(アッパーウエストにある唯一の店舗で、1934年創立の老舗でユダヤ人ゼイバー夫婦の経営で主にコーシャーフード(ユダヤ教の教えに沿った食料)が中心。そのため、ハムなどの加工食品以外の豚肉や、サラダパックを除く生鮮野菜は見かけない)。
Whole Foods Market (1978年ジョン・マッキーとその恋人がテキサス州オースティンで開業した小さな自然食品店が始まり。今やアメリカにとどまらず、カナダ・UKなど合計270店舗以上展開する。オーガニック・フードを中心とした、新鮮野菜、果物・肉・魚・加工食品・ワインと幅広く品揃えしているアメリカ合衆国のスーパーマーケットで、ニューヨークには2001年進出)。
Trader Joe's (1958年ジョー・コロンビーがカリフォルニア州ロサンジェルスに設立するが、1979年以降ドイツ人の実業家 テオ・アルブレトが所有。アメリカ合衆国内に約300店舗を展開しているやはりグルメスーパーだが、中間流通を省くことによって価格が他よりもリーズナブル)。この3カ所はよく行くところだ。
そしてたまに、Dean&Deluca、Citarella、Fairway、気が赴けば、Gourmet Garage、Balducci`s、Eli`s Manhattan、Agatha&Valentina、Garden of eden, Grand Central Market, Chelsea Market, Amish Market, D`agostino, Gristede`s その他、ユニオンスクエアーGreen Market、Chaina Town, Korean など。
時の経つのも忘れ、まるでマーケティングしているように店内を端から端まであれこれ見ながら手にとり吟味する。その日のわたしの食事は既にそこからスタートしているのだ。
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