ティファニー の「イエローダイヤモンド」2
1878年ティファニーは、高品質ダイヤモンドを求めて世界中から多くの人々が押し寄せていた南アフリカのキンバリーで採掘された世界で最大級(287,42ct)のファンシー イエロー ダイヤモンドを手にする。そしてこのダイヤはパリに送られた後、ティファニーに入社したばかりのジョージ・フレデリック・クンツ(George Frederick Kunz)(彼は後に自分の名前を冠する「クンツァイト(鉱物名 スポジュメン)色合いはピンク・スミレ色がかったパープル」という宝石の鑑別と学術的発見をし、ティファニーの主任宝石鑑定士となる)に委ねられ、あらゆる角度からの観察と研究を重ね1年間が費やされた。そして宝石のもつ美しさを引き出すために多くのファセットが施され、通常のブリリアントカット(58面)より24面多い82面(多面によるファセットは、光を更に反射させるためではなく、イエローダイヤモンドの特性を生かし、宝石の中で火が燃えているような効果を見せるためだといわれる)のクッションシェイプ(128,54ct)にカットされ、ティファニーの歴史と技術を物語る世界有数の「ティファニー ダイヤモンド」が誕生する。
通常ダイヤモンドは殆どが黄色味がかっており、その色因は炭素以外の不純物原子の(私たちが呼吸する空気の大部分(78%)も占めている原素)窒素によるもので一般的だ。かたや、稀にその窒素原子が孤立したlb型と呼ばれ黄色味が強くなるとファンシー イエロー ダイヤモンドと呼ばれるものが産出されるが、そのうち色度・彩度・透明度の高いものは希少性が数段高くなる。
このティファニーを代表するジュエリーは何度かそのデザインを変え、ニューヨーク本店にて展示されている。
ちなみに、何度もデザインを変えたこの至宝が実際に着用されたのはわずか数回と言われている。1961年、映画「ティファニーで朝食を」のプロモーション撮影にて、リボン・ロゼットのネックレスにマウントされたものをオードリー・ヘップバーンが着用した。そして、今年の2月24日、カリフォルニア州ロサンゼルスで行われた第91回アカデミー賞授賞式にて、レディ・ガガは、漆黒のロングドレスに ティファニー ダイヤモンドがセッティングされたネックレスを身に付け登場した。煌めく胸元はさらに彼女の艶麗さを増幅させてレッドカーペットを飾った。
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