人馬宮(いて座)とタンザナイト(ゆう簾石)
アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロは、タンザニアの東部に位置し赤道直下にありながら頂きに雪帽子をかぶり君臨する。その南嶺にあるのがさまざまな宝石が眠るメレラニ鉱山で、1960年代にブルー系のゾイサイト鉱物の原石が発見された世界で唯一の産地である。その原石を加熱すると、まるでタンザニアの夕暮れ時の空を連想させる透明で美しいパープリッシュブルーに変化した。それに因んでアメリカのティファニー社はこの宝石を正式名のブルーゾイサイトとは呼ばずタンザナイトと命名し、積極的なプロモーションを行い、今日ではその名前が定着し世界標準表記になっている。デビューを遂げた新しい宝石は一見ブルーサファイヤの色合いと似ているが、最大の特徴は多色性で角度によって異なった色(青、藍色、赤茶色など)が見える。また、自然光や蛍光灯の下では青色に輝き、夜のライトや白熱灯の下では高貴な紫色に変化する。一方、硬度は6~7と多少低く欠けやすいので身につける場合はリング以外が望ましい。現在流通しているタンザナイトは99、9%が加熱処理されている。価値が高いのはより透明感のある色目の濃い石だ。
行動理念が解放と自由で豪放磊落な人馬宮は、チャレンジ精神や好奇心も旺盛で興味を持つと努力も惜しまず、守護星である木星の絶大なエネルギーが注ぎ込まれ飛躍的に成功する。ところが、自分の好きなこと以外は集中力が切れやすく途中で投げ出してしまい、周囲との同調性を欠くことが多い。タンザナイトはその色合いから、自己啓発を促し冷静さや直感力、柔軟性を高めてくれる。したがって身に付けていると、人生において大事な局面に立たされたとき、思慮深い正しい判断をもたらし好い方向に導いてくれるという人馬宮にとってはありがたい宝石になる。
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