ナポレオンのダイヤモンドネックレス
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このネックレスは、234個すべてがダイヤモンド(総重量263ct)による。その大きな石47個は、一連の鎖に28個のマインカット(ブリリアントカットの初期スタイル)によりセットされ、9個のペアシェイプ(その内4個に23個の小さな石をあしらった)と10個のブリオレットカット(滴形のカット)の石が、そこから吊り下げられたとてもゴージャスなネックレスだ。
ダイヤモンドは炭素原子の結晶で、全体の98%は窒素(黄色みを帯びる色因)など炭素以外の不純物を含む ‘タイプI’ と、窒素をまったく含まない ‘タイプII’ に分かれる。なかでも‘タイプIIa型’は、不純物を一切含まない純粋な無色になり、全体の2%にも満たず希少性が極めて高い。ちなみに、このネックレスのうち13個の石は ‘タイプII a型’ だ。
マリー=ルイーズはこのネックレスがとても気に入り、身につけている様子が何点もの肖像画に見られる。後に失脚したナポレオンを見捨てる(再婚を繰り返す)一方、自身が亡くなるまで手放さなかったというこのネックレスは、現在アメリカ・ワシントンDCのスミソニアン博物館で輝きを放っている。
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