金牛宮(おうし座)とクリソプレーズ(緑玉髄)
世界中に分布するカルセドニー「玉髄(ぎょくずい)」は、半透明から不透明のクオーツで硬度もあり加工がしやすいことから先史時代から現代にいたるまで、宝石や装飾品、高級食器など多様に利用されてきた。それらは、縞状(カメオブローチが有名)や樹枝・景色状など模様のあるアゲート「瑪瑙 (めのう)」、不透明なジャスパー 「碧玉(へきぎょく)」、固有の変種名をもつ赤色のカーネリアンや緑色のクリソプレーズなど模様がなく透明感のある石など、石英(鉱物)の巨大ファミリーだ。比較的大量にとれる安価なカルセドニーは、多孔質のために表面からの染色がたやすく、きれいな色に処理された石が数多く出回っている。一方、自然なままのクリソプレーズやブルーカルセドニーに数千ドルの価値が付くものが存在する。
ニッケル元素の色因による非常に美しいグリーンの石を「クリソプレーズ」と呼び、かつて北欧では高品質の石を産していた。1965年以降はオーストラリアのクインズランド州から、鮮やかなアップルグリーンの最高品質のクリソプレーズが供給されるが、これは宝石通といわれた宮沢賢治が最も愛した宝石の1つで、短歌の中で落葉松の若芽の形容に「から松の芽の緑玉髄」と何度も使うくらい、この色合いは賢治の心を強く惹きつけた。その質感はヒスイに似ており、「オーストラリアンジェイド」と呼ばれることもある。
クリソプレーズは、現在高い発達段階に至っており(宝石は人間と同じく成長する)、それの放つ周波数は私たちの神経系に吸収され、分泌を営む各腺をリラックスさせて精神・肉体のバランスを取ってくれる。本来は穏やかで五感で美を享受することが得意ながら、所有欲の強い頑固者で、安定さを失い問題解決に時間がかかるという金星に支配された金牛宮には特に最強の守護石だ。
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